九十九里地域医療 夏期セミナー2012
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フィールドワーク1:救急医療の実態・課題 
                旭中央病院救急、山武郡市 消防本部 消防

救急車の適正利用って?
報道等ですでに御存知の通りかと思われますが、救急車の出場件数は年々増加しています。また、救急車が現場に到着するまでの時間や、病院に到着するまでの時間も次第に長くなっています。現在救急要請から病院到着までの平均時間は約40分。救急車を呼んだからといって、病院到着までの時間は必ずしも早いわけではありません。
どうしてこのような事態になっているのでしょうか?
軽症患者の安易な救急要請が少なくないのも事実です。しかし、軽症でも救急車を利用せざるを得ない社会的状況の変化も見逃してはいけません。救急隊が現場に到着しても、今度は患者を受け入れる病院がなかなか決まらないという問題もあります。医療過疎地域では搬送先病院まで30分以上走らなければ到着しないこともまれではありません。
今回のセミナーでは、患者さんを搬送する救急隊員の立場を模擬的に体験して頂き、救急搬送の問題を一緒に考えましょう。


フィールドワーク2:FW2:医療を支える持続可能な地域つくりを、不動産会社の粋な取り組み 
                (株)大里綜合管理

みなさんこんにちは、大里綜合管理株式会社です。8月25日、心あるみなさんにおこしいただく事を心より楽しみにしています。

大里綜合管理株式会社は創業38年、不動産 建築 管理を主な業務としてやって来ました。スタッフは、30名です。

大里には2つの特徴があります。

一つは気づく訓練として毎日一時間、全員で環境整備をしています。
ひとつのことがきっかけとなって始めたものですが、、16年になりました。
気づいた事の一つ一つで具体的にした改善は1000以上になります。

もう一つは、業務の他に200以上の地域貢献活動をしています。

企業というと利益を出す事が目的のように言われていますが、大里は、お金になるかならないか、仕事か仕事でないかを分ける事なく、
それぞれのスタッフが大切だと思ったら、仕事時間に関係なく活動できます。
もちろん、それぞれのノルマや課題も大事にしていますが、収益の上がる仕事と収益の上がらないけど地域や世の中にとって大切な事と分けてみるとおそらく6割が収益の上がる仕事で4割がそ以外の仕事かもしれません。
学童保育を始め、駅や海、道の清掃活動、コンサートや講演会の企画などスタッフ全員が一丸となって取り組んでいます。

3・11の震災以降、持っているマイクロバスを利用しておこなってきた東北復興支援ボランティアバスは、
105回を超え1700名のこの地域の方々にさんかしていただきましたし、その活動はこの先も続けて行くつもりです。
そんなこんなを短い時間のなかで感じていただけるためにみなさんのお越しをスタッフ一同心よりお待ち申し上げています。
フィールドワーク3:在宅患者を往診で支える
岡崎医院
東金に自宅と診療所を構え、山武地域の在宅療養支援医師として活躍中。この地域での訪問診療を始めて12年になります。

 ターミナル期・呼吸管理中・高齢での寝たきりなど幅広く多くの患者様の訪問診療を行なっています。
 訪問件数は月に70件ぐらいで、多いときには1日に10件ぐらいの訪問を行なっています。

 午前中は診療所での診察を行ない、午後に訪問診療を行なう、細身の体型からは想像がつかないパワーをお見せします。
フィー ルドワーク4:ITネットワークによる病診薬連携 
片貝薬局
 糖尿病をはじめとする生活習慣病の治療や予防には効果的な服薬や食事の指導が不可欠であり、薬剤師や栄養士など医師以外の専門職が果たす役割が大きい。し かし通常の院外処方の場合、調剤薬局の薬剤師に渡されるのは処方箋一枚のみ。そこには薬名と分量の指示のみで、患者の状態どころか病名すら記されていない。患者が医師からどのような説明を受けたのか、病名が患者に告知されているのかどうかもわからない。

 東金の医療情報共有化システム「わかしおネットワーク」では、調剤薬局の薬剤師が、電子カルテ上で医師が処方箋を書いた意図や薬剤師宛のコメント、さらに薬の効果を示す検査データのグラフを確認することができる。

 システムの紹介を通じて、地域での保険薬局の役割を説明する。そのうえで,町の薬局が実際に何を行うかを見せる。処方せんが,どんなプロセスを経てお薬として患者に届くのか知り、処方せんの記入漏れ,誤入力による処方ミスの危険性なども理解し て欲しい。

 服薬指導については患者さんとの会話を聞いてもらい、また在宅患者への薬の宅配(訪問服薬指導)も同行して もらう。病棟の患者と薬局での患者,自宅で話す患者は全く別だ。病院ではおとなしい方も,薬局では平気で医者への不平・不満 を言う。それでも本当のことは半分ほどで,「ちゃんと飲んでます」と言った薬が,自宅に行くとたくさん残っていたりする。病院では病気を診るが,在宅では 病人,家族が相手である。

フィールドワーク5:検診受診を増やすための取り組み
                (株)ケアプロ東金商工会議所

 私は現在40歳で東金商工会議所に勤務しています。毎年の健康診断は良好、スポーツクラブには週3回は行って汗をかき、現在は至って健康です。地域医療といっても中々なじみがなく歯医者や風邪をひいた際に医療機関にお世話になるくらいです。私のような地域医療に希薄な住民は多くいると思います。今回の夏期セミナーでそうのような住民に地域医療について興味を持たせ、関係を築けるかのヒントを一緒に見つけられればと思います。そこでワンコイン検診を行っている会社の事例など予防医療の視点踏まえた内容にしたいと思います。
また、仕事では中小企業の支援やまちづくりを行っています。団塊の世代や高齢者の方々が生きがいをもって元気に地域で活躍できるようなまちづくりをしたいと思います。
地域医療にビジネス的な観点も踏まえた内容になっており、他とは一味違うと思いますがぜひ参加お待ちしています。

フィールドワーク6:病気にさせない、ヒューマンネットワークを使った退院後支援              
                さんぶエリアネット

●「病気になる」→「医療を受ける(治療する)」→「治る」→「再発させない」
→皆さんはどこにアプローチしていますか?
●「病気になった人」・「病人がいる家族」・「家族全員に病気がある」
→皆さんにとって、支援すべき人は誰ですか?
●病気になった人には、「意思判断能力がない」、「身寄りがない」、「連絡先がない」
→皆さんはどうしますか?
●病気になっても、「お金がない」・「移動手段がない」・「家族が病院に行かせない」
        「保険証がない」・「医療制度がわからない」
→皆さんは何をしますか?
一人の人を地域の中で治療する(支援する)時、その人には様々な状況があり、それを支える家族や地域住民がおり(又は全くおらず)、地域治療においては、「在宅で」「適切に」「治療が継続する」ことが大切になる。
中核地域生活支援センターは千葉県の委託事業で、24時間365日体制で、あらゆる対象者から、あらゆる相談を受けて一緒に考え解決していくための機関です。
皆さんと一緒に、一人の人を支えることとはどういうことなのか、病気を治療するため、病気にさせないためには何をどうすれば良いのかを皆さんで考えていきましょう。
フィールドワーク7:終末期患者を地域で支える取り組みと医療者・住民への啓蒙活動                    
                さんむ医療センター

病院と自宅をつなぐ緩和ケア “さんむ医療センター緩和ケアチームの活動”

私たちの住む山武地域は長生・夷隅地域とともにひとつの2次医療圏に括られていますが、
この医療圏には残念ながら、地域住民のために主軸となってがん治療を広汎に受け持つことのできるがん診療連携拠点病院が存在しません。このような実情を鑑み、せめて抗がん治療が困難となった患者さんができるだけ早く、自宅や自宅近くの施設で療養できるようにと、平成19年11月より、おもに地元出身で、他医療圏で抗がん治療を受けてきた患者さんを対象に緩和ケア外来を開始しました。初診時には十分時間をさいて、これまでの治療の経過、現在かかえている辛い症状や問題、今後の療養の希望、御本人や御家族が大切にしたいと考えていることなどを丁寧に伺っています。緩和ケアの特徴は、エビデンスにもとづいて施行される抗がん治療とは異なり、同じ病態でも患者さん一人一人のお話を聞いた上でその人にもっとも適した支え方を用意することにあります。(業界ではよく、ナラティブアプローチなどと言われています。)もちろん、患者さんが抱えるさまざまな苦痛をできるだけ、減らしなくすようにすることは、緩和ケアで最も重要なことですが、それのみではなく、患者さんの介護者やご家族にも配慮し支えてあげることも重要な役目です。
それから、治療医は治療医同志でチームを組みますが、緩和ケアでは、医師の他に、他職種でチームを組むことも大きな特徴といえるでしょう。私たち緩和ケアチームのメンバーは、患者さんや御家族のニードに可能な限り応えられるようにいつも努力しています。
病院と自宅をつなく私たちの緩和ケアの一端を垣間見ていただけたら幸いです。
 
                         さんむ医療センター 篠原靖志

             
 
フィールドワーク8:住み慣れた地域で高齢者を支える                    
                ちば地域生活支援舎 「五根の家」

今までの歴史の中で、心身に障がいがある子ども、障がいがある方、高齢で介護が必要な方、認知症などで治療が必要な方々は介護保険や自立支援法など、縦割りの制度に区別をされていました。しかも本人の望みとは違い、生まれ育った地域から離れた土地に住まなければいけないことがありました。

NPO法人ちば地域生活支援舎では「住み慣れた地域」と「そこに暮らす本人の生きる力」を大切にして、地域全体で子どもから高齢者、障害者の方の支援することを目的に、高齢者、障害者のデイサービス、児童デイサービス、障害者の就労支援などの活動しています。

「五根の家」は、通って・泊って・自宅にも来てくれていざとなったら住むこともできる、をコンセプトに高齢者を対象とした小規模多機能ホームとグループホームが一体となった施設です。

高齢になり、身体が思うように動かなくなってきたり、物忘れが多くなって今までの生活が送りにくくなることは誰にでも想定されます。

支援が必要になった時に、本人の状態や制度の枠組みで区別されることなく、生まれ育った地域で暮らし続ける為の必要な支援を行える施設としてつくられました。

今回は高齢者介護の現状を見ていただき、地域全体で協働して見守ることの必要性、重要性を感じとっていただきたいと思います。

フィールドワーク9:FW9:慢性期患者の重症化予防で医療費削減を

東金市国保医療費が年々増加しており、財政に深刻な影響を与えています。
その原因の一つに高齢化がありますが、東金市の疾病状況の特徴に、生活習慣病の重症化があげられます。 庁内の関係課および行政以外の機関や団体と連携し、できるところから予防策を講じてすすめていますが、 どう連携をとっているのか、そんなところを知っていただき、 この地域の保健・医療・福祉の連携の中に市民がどうかかわりを持ち地域医療をすすめていけるのか一緒に考えてみたいと思います。 このフィールドの成果からも市は学び、今後に活かしていきたいと考えています。


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